(直結)

「庄内と鳥海山麓」  2024.06                「よかったところ」topへ topへ

   

 全体のトップページへ
(更新情報はこちらに掲載されます)    

 自宅のある三陸沿岸から東北地方で一番時間的に遠いのが山形県です。今回はその中で新潟県境に近い温海温泉の辺りまで足を伸ばしてみました。
 最初の目的地は戸沢村にある「幻想の森」です。杉の原生林が残っていて、不思議な形に成長した異世界を歩くことが出来ます。国道47号をこちらから曲がり、陸羽西線の鉄橋をくぐって林道に入ります。
 間もなく「熊出没注意」ののぼりがあります。事前の情報では幻想の森までの道はすれ違いが困難で大きな車は無理、といった感じでしたが、実際にキャンカー(2×5m)で走ると、所々にすれ違い用の待避所もあり、誰かの書いた通りマイクロバス程度であれば進入可能な道でした。
 下図の黒い実線をたどります。右下は歩行軌跡拡大です。
    
 幻想の森の入り口には駐車スペースがあって、転回分を除いて数台は止められそうです。すれ違う車は幸運にも往復一台もありませんでした。
 この森の魅力は、動画の方がより感じられると思いますのでこちらから歩行動画をご覧ください。
 幻想の森を3D画像で散策ください。 もっと多くの画像を3Dコーナーにアップしてありますのでご覧ください。
3Dの見方につきましても記載してあります。
   
 庄内町にある、この時点でpaypay15%還元している依田善さんで昼食をいただきます。入口には「時間の無い方はご遠慮ください」とあって、準備に時間がかかることがあることと、ゆっくり味わうことを重視しているようです。とりあえず注文して〇時頃にまた来ますということでOKをいただいて、物産館を見たり買い物をした後、チラシ寿司とうな重を美味しくいただけました。
 海辺に出て、白山島を歩きます。歩道橋(軽トラ程度は行けそう)があって、神社や海洋釣り堀もあります。遊歩道は落石虞のために全周は出来ませんが、景色は楽しめます。
 意外なことに季節も良いためかこちらは「花の島」でした。花の浮島としては礼文島もすばらしかったところですが、規模的にはもちろんこちらはこぢんまりした庭のようです。
 宮崎市の青島も陸から張り出た孤島ですが、海流に乗って漂着したと思われる植生が、独特の生態系を構成しているようでした。このような変わった自然を見ると楽しいです。
 島の中にはベンチやテーブルや漁港もあって、広場では地元のご婦人方でしょうか、数人集まって周りの花たちに負けない大きな声で話に花を咲かせていました。
 この日のお風呂は温海温泉です。多分半世紀ほど前に入ったことがあります。当時は日本海沿いの国道7号からこの温泉街に入るには、羽越線の鉄橋の下をくぐるのですが、その余裕高さが2mちょっとくらいしか無かった気がします。現在は大型車でも制限が無く、高速道も酒田方面だけですが開通しています。
 バラ園から町並みを眺めます。日帰り入浴は共同浴場しかやっていなくて、よくある洗い場も蛇口も椅子も無く湯船から洗面器で掬って洗います。
 お宿は道の駅温海しゃりんです。本当の海沿いにあって、裏庭から海岸に下りられます。キャンプをするとすれば最高のロケーションですが「キャンプ行為は禁止」との札が立っています。道の駅駐車場における車中泊については、国交省の統一見解として問題ないことが示されているようですが、テントやテーブルを外に出しての「キャンプ」はダメです。
 こちらの道の駅で特筆すべき点は、畳み敷きの休憩所における宿泊行為を容認する掲示があることです。「自転車・バイク等における天候回復待ち以外の連泊はお断りします」とあります。注意点は、禁煙・占有しないこと・火気を使わないことなどです。コインシャワーもありますので、ツーリストには強力な味方といえます。
 本来は道の駅はこのような運用が理想的と思われます。一部のマナーが悪い人のために中止しないように期待します。
 もう一つ、犬を畳に上げて寝る人が、道の駅雫石でいました。その人には家族同様かもしれませんが、パンツも履かず尻も拭かず土足で出入りしてます。これもやめてほしい。
 この項の動画はこちらからご覧ください。
 日本海沿いを少し北に戻って鶴岡市の善寶寺を見学します。全く予備知識が無かったのですが、東北にある社寺で私が今まで見た中では最高の部類に入ると思います。無料で境内に入ることが出来ます。
 まず五重塔が目につきます。東北地方で五重塔といえば、羽黒山にありますが、規模と華麗さの点で、創建が新しい(明治16-26)こともあり、かなり豪華な造りになっています。高さは38mあります。ごく近くまで上がって拝観できます。一層目の内部には心柱を囲んで四方に下写真のような如来様たちが五種知慧を表しています。
 「五重」の上層部には上がれるのかな?と覗き込みますが、階段状の仕組みは見られませんでした。もしそのような構造になっていれば(俗な評価で申し訳ないのですが)2,000円くらいだったら払っても良いので上がってみたいところです。
 軒下や壁には緻密で立体的な彫刻が見られます。十二神将や三蔵法師が彫りこまれているそうです。
 そして五百羅漢です。江戸時代の北前船による交易での利益と、危険な業務であったための神仏信仰によって、構成された作品群のようです。 他にも五百羅漢と名の付くものを見たことはありますが、費用と手間がかかっていることを差し引いても素晴らしいです。
 全531体のうち、現在144体まで修復が進んでいるそうです。
 境内・社殿を一通り見て帰り道を探していると、人面魚の案内看板があります。元祖だそうです。行ってみることにします。
 鯉や亀がたくさんいますが、中々人の顔に見える鯉は出て来ません。

 下写真の枝には、亀が三匹乗って甲羅干しをしています。
 ナマズもいます。
社殿のようなところを回って、戻ってくると、居ました!
 
 でも人面というよりは、虎かライオンの顔のような… それとも他に別の鯉が居るのでしょうか?
 吹浦にあるグリーンストアでフルーツサンドを購入した後、同町内のAコープで昼・夕食の食糧調達をして、秋田に北上します。
 鳥海山の雲行きを気にしていたのですが、だんだんは上部にかかっていた雲が上がってきたので、久々にブルーラインに登ってみます。
 今回は鉾立の駐車場で昼食と先ほど買ったフルーツサンドをいただいてから散策します。ビジターセンターやトイレのほか飲食休憩施設もあります。
 鳥海山には若いころに一度だけ、5月末に大平山荘から登ったことがあります。残雪が多くてアイゼンを着けて登頂しました。今は体力・筋力調整をしないと無理です。
 
 観光客も居ますが、登山に向かう人もたくさんいます。鉾立展望台までだけ歩いてみます。
 鉾立展望台までは舗装してありますが、花もきれいです。展望台からは奈曽渓谷の向こうに頂上が望めます。花と渓谷と残雪と火口湖と岩山と日本海の眺めと… 鳥海山は百名山の中でも人気の山だというのがここから一部見ただけでもわかります。
 それにしてもこの渓谷が山体の一部崩壊で岩雪崩となり、日本海まで流達したというのですからすごいです。
 駐車場の向こうに仁賀保の町や日本海や、このあと向かう仁賀保高原の風車がわかりにくいのですが見えます。
 このところ毎年訪れている元滝も散策します。
 こちらもセットで散策する獅子が鼻湿原です。今回はあがりこ大王と出壺は省略して、一番好きな取水口の辺りで喉を潤しました。
 この二か所の動画は文末のリンクからご覧ください
 
 次のポイントは湯の台温泉です。この辺りに来ると入る温泉は象潟ねむの丘が多いのですが、この後仁賀保高原に向かうので、道が長くなるのと、混雑が少し煩わしいので、こちらの温泉にします。300円なのにシャンプー・ボディソープがついています。
 湯上りで気持ちよくなってふと向かいを見ると湯の台食堂があります。その隅になにやら自販機があります。見ると中華そば・しょっつる・もつ煮込みなど。店の人が出てきて説明をしてもらって、冷凍食品ということで、もつ煮込みを買って車の冷凍庫に入れました。ちなみにこちらのお店は開店時刻に20人も並ぶこともあるとか…こんな辺鄙な所なのにすごい!
 こちらもなじみの仁賀保高原にやってきました。こちらの風車は建て替えがほぼ完了して来ました。今回は多分新設された風車群の南端にある、まだ見たことのなかった南展望台に寄ります。
 先ほどの奈曽渓谷から、この高原の周りまで岩雪崩が押し寄せてきたとは説明が無ければ想像もできません。
今回のツアー内容を記録した動画をこちらにアップしてありますのでご覧ください。時程と内容は次のようになっています。

鳥海山麓を善寶寺・鉾立・元滝・獅子が鼻・仁賀保高原 と巡ります
0:00 出発は道の駅温海
0:11 鶴岡市善寶寺の見学
0:22 五重塔(明治時代創建)
0:59 五百羅漢(彩色・修復中)
2:14 人面魚のいる池へ
3:20 鳥海ブルーラインへ
6:58 元滝へ
9:50 獅子が鼻湿原(取水口まで)
16:12 湯の台温泉・食堂
16:33 仁賀保高原南展望台